「インバウンドに強い」台湾インフルエンサー(KOL)施策

Taiwanese Influencer

台湾インフルエンサー施策とは？

人気ブロガーやユーチューバーといった台湾人インフルエンサーにお客様の商品やサービスを紹介してもらうことで台湾向けのマーケティング効果を期待することができます。

インフルエンサーとは？

インフルエンサーとは、世間に与える影響力が大きい行動を行う人物のこと。その様な人物の発信する情報を企業が活用して宣伝することをインフルエンサー・マーケティングと呼んでいる。（引用：ウィキペディア）

台湾人インバウンド集客対策として「インフルエンサー施策」が注目されています。なぜインフルエンサー施策を行うのでしょうか？台湾のメディア事情や台湾人が訪日前に使用するメディアの特徴を理解するとその理由がわかります。

台湾のメディア事情

日本でマーケティングを行う場合に使うメディアと言えば何が思い浮かぶでしょうか？恐らく、テレビ広告、新聞広告、フリーペーパー等が思い浮かぶことでしょう。

台湾人観光客のインバウンド集客を効果的に行うために、日本で常識となっている上記のメディアを使用した場合、費用対効果がかなり低くなってしまいます。その理由として下記の理由が挙げられます。

テレビ広告

台湾のテレビはケーブルテレビが主流でチャンネル数は200以上あります。

台湾テレビ局のテレビCMの費用は10秒間あたり6,000～50,000台湾ドル、日本円で約28,000円～約230,000円が相場となっています。

平均的なテレビ局で、通常の放送時間の場合、約20,000台湾ドルとなり、10秒間で日本円で約10万円の計算となります。

仮に1日10分間(20秒×30回)で30日間放送した場合、1日600万円、1ヶ月で約1億8千万円の費用がかかる計算となります。なお、これらの費用にはTV CM制作費用は含まれていません。

前述のとおり台湾ではチャンネル数が200以上あるため、広告効果も分散してしまいます。

このような費用を考えたときに「インバウンド集客」対策として台湾のテレビ広告を利用するのは費用対効果が非常に低いと言わざるを得ない状況です。

新聞広告

台湾の全国版主要新聞として総合ニュースを扱う中國時報、聯合報、自由時報等があり、経済ニュース新聞として經濟日報、工商時報、Taipei Times(英語)などがあります。

例えば自由時報の発行部数は約52万部となっており、半面広告（１ページの半分、24×17.5cm）の広告の場合72万～180万台湾ドル、日本円で約338万円～約846万円の費用がかかります。なお、これらの費用には広告制作費用は含まれていません。

フリーペーパー

日本ではフリーペーパーが一般的で1,000以上のメディアが存在しているといわれます。台湾ではフリーペーパーがほぼ存在していないためインバウンド集客のマーケティングに活用することができない状況です。

台湾ネットメディア・SNS事情

台湾では全人口96.5%(2020年統計)がインターネットを使用し、ソーシャルメディアの浸透率が非常に高く、全人口の89.5%(2022年統計)が月１回以上ログインするアクティブユーザーとなっています。

台湾人は平均で約6.5個の異なるソーシャルメディアのアカウントを持っており、FacebookやInstagramなどの人気プラットフォームや、日本の２ちゃんねるのような掲示板サイトであるPTTやDcardなど台湾現地のサイトの人気も高いです。

商品・ブランド検索に使用するメディア

台湾人は商品やサービスを検索する場合、62.3%の人が検索エンジン、40.6%の人がソーシャルネット、39.1%の人が口コミを使用しています。

そのため、ソーシャルメディアにおいて口コミとなる情報を発信することが台湾向けのマーケティングにおいて効果的であると考えられるます。

次に台湾で使用されるソーシャルメディア(SNS)について考察します。

台湾で使用されるSNS

台湾ではFacebookの人気が非常に高く2024年の統計でネットユーザー中85.1%がFacebookのアクティブユーザーとなっています。

そのためインフルエンサーマーケティング施策を行うにあたりFacebookのフォロワー数が大きな鍵になります。

Facebookのフォロワー数が多く、検索エンジンからのアクセス数が多いブログを運用しているインフルエンサーつまりパワーブロガーを選定することで、口コミ効果、レビュー効果、SNS拡散効果等を期待することができます。

FacebookとInstagram

FacebookとInstagramはそれぞれ異なる特性を持っています。Facebookは商品やサービスのリンクを掲載でき、導入効果が良好で、コンバージョンを目標とするブランドに適しています。

Instagramは美しい画像や動画を掲載でき、プラットフォームの自然なトラフィックのリーチが高く、知名度を向上させたい広告主に適しています。

台湾Facebookインフルエンサー費用相場

インフルエンサーの規模	フォロワー数	価格/1投稿（台湾元/日本円）
ナノインフルエンサー	1万未満	6,000元 – 16,000元 28,000円 – 75,000円
マイクロインフルエンサー	10,000 – 100,000	16,000元 – 80,000元 75,000円 – 380,000円
ミドルインフルエンサー	100,000 – 1,000,000	60,000元 – 400,000元 280,000円 – 1,880,000円
トップインフルエンサー	1,000,000以上	300,000元から 1,4000,000円から

上記表は、台湾Facebookインフルエンサーの費用相場です。Facebook投稿を１回行った場合の費用目安です。

前述のテレビ広告や新聞広告と比較してかなり費用が安いことがわかります。

台湾パワーブロガー(インフルエンサー)費用相場

ページビュー数平均/日	価格/1投稿（台湾元/日本円）
2,000 – 10,000	5,000元 – 10,000元 24,000円 – 47,000円
10,000 – 30,000	10,000元 – 50,000元 47,000円 – 240,000円
30,000以上	50,000元 – 200,000元 240,000円 – 1,000,000円

上表は台湾人パワーブロガーにブログ記事を執筆し、投稿してもらう費用相場です。

ブログ記事はブロガーにより内容が大きく異なり、文章文字数量、写真点数、動画挿入の有無などでも費用がことなります。

ブログ記事はSEOを通じて検索結果の上位に表示される確率が非常に高く、検索エンジンからのターゲットにむけてリーチするのに非常に適しています。

パワーブロガーのブログ記事を通して、ユーザーが商品やサービスを検索する際に、デメリットを含む具体的でより価値のある情報を得て、好印象をもってもらう役に立ちます。

上記料金表は参考値であり、実際には案件ごとにインフルエンサーと交渉の上費用が決定します。

なぜ台湾インバウンド集客にインフルエンサーを使用するのか？

上記の考察から、台湾のメディア事情として、テレビ広告や新聞広告を使用した場合、費用が非常に高いという大きなデメリットがあります。

テレビ広告は1ヶ月で１億円以上かかる場合もあり台湾ではチャンネル数が非常に多く効果も分散してしまうため、日本の広告主が効果的にテレビ広告を用いてプロモーションを行うのは敷居が高くなっています。

新聞広告も52万部の発行部数で半面広告を掲載するのに約500万円かかります。

それに対し、台湾での今のトレンドであるSNSを使用したマーケティングでは費用を抑えつつ、従来のメディアより高い効果を期待できます。

例えば50万人のフォロワー数がいるインフルエンサーにFacebook投稿をしてもらう場合の費用はおよそ50万円となり、新聞広告の1/10の費用でリーチすることが可能です。

さらにブログ記事とSNS投稿を組み合わせることで検索エンジンからのアクセスも含めて長期的なマーケティング効果を期待できます。

台湾マーケティング費用比較表

メディア	費用	内容
テレビCM	600万円	1日10分間(20秒×30回)
新聞広告	500万円	半面広告（１ページの半分、24×17.5cm）52万部
インフルエンサー	50万円	Facebook投稿１回 50万フォロワー