コロナ後の台湾の観光業界現状と課題
アフターコロナ台湾の観光業界の現状
台湾の観光業界が新型コロナウイルスの影響から回復するペースが遅いことが話題となっています。特に2023年1月から8月までの間、台湾への入境旅客数はコロナ前の48%しか回復していないとのデータが示されています。これに対し、日本は同期間で70%まで回復し、8月だけで見ると前年の86%まで回復しているとのこと。国際的な旅行トレンドを考慮すると、台湾の回復はかなり遅れていることがわかります。
台湾インバウンド観光の課題
立法院の交通委員会の審査で、この問題について議論が交わされました。多くの議員がインバウンド観光の回復の進度について関心を示し、中秋や国庆節の連休中の宿泊予約率が低いことも指摘されました。また、ある議員は、台湾のインバウンド観光には7つの大きな問題があると指摘。具体的には下記の点が挙げられました。
- 台北以外の地域での交通の不便さ
- 国際旅客のチケット情報の取得の難しさ
- 観光地の特色の不足
- SNSでの投稿内容が似たり寄ったり
- コロナ中の3年間の遅れ
- 観光地のブランドが確立していない
- 国内旅行の高価格性
一方で、交通部長は、日本の観光回復が最も早いことを認めつつ、日本人は海外旅行を好まないため出国の回復はまだ進んでいないとの立場を示しました。円安も影響して日本から台湾への旅行者の回復が遅れている状況もあります。また、台湾国内での交通の問題については、観光客向けの移動サービスの改善策を推進しているとのこと。
台湾と中国間の観光の開放に関しては、今年は中国からの観光客は来ないとの見通しを示しており、来年の動向に注目が集まっています。
今後、台湾の観光業界はどのように回復していくのか、国内外の旅行者にとって注目のポイントとなるでしょう。
まとめ
台湾の観光回復が他国、特に日本に比べて遅れていることが2023年のデータからも明らかになりました。立法院での議論によれば、交通の不便さや観光地の特色不足など7つの大きな問題が指摘されました。これらの課題を解決しつつ、国内外の旅行者を引きつけるための施策が求められています。今後の台湾の観光業界の動きに注目が集まる中、業界のさらなる発展を期待しています。